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6月, 2014の投稿を表示しています

触発

新作の怪奇短篇を脱稿しました。 文藝春秋の担当さんが今回も読んでくれるそうなので、さっそく送ります。 最近創作欲が高まっているのは、完全に朝ドラ『花子とアン』に触発されたからです。 やっぱり、一度物書きを志した以上、発表できるかはおいといて、原稿をたゆまず書いていかねばなあ、と。 あと、劇中の宇田川満代センセイに勝手にライバル心を燃やしたからでもあります(笑) 宇田川センセイに負けてなるものか、いつか自分も「先生」と呼ばれるようになってやる! 結構自分は単純な性格だなあと思いましたよ。

離魂

今日、電話で母に、ちょっとゾッとする話を聞きました。 先日、父が通勤で車に乗っていたら、対向車が来た。 何気なく見ると、同じ車種で同じ塗装、しかも同じナンバーだったそうです。 思わず、「それ、ドッペルゲンガーたい!」と言ってしまいました。 幸い父は、運転者までは見なかったそうですが、もし見ていたら……ゾーッとします。 『近代異妖篇』で、離魂病やらドッペルゲンガー的な話をちょうど読んでいたところだったし。 父の身に何事もないことを祈ります。

異妖

前項の「甲州」は二重の意味がかかっていたのに、読者諸賢は気づかれたでしょうか。 『花子とアン』の舞台のひとつである甲府と、黒田長政公は甲斐守でして、「甲州」と呼ばれていたので、それをかけました。 まあ、そんなことはどうでもいいんですけどね(懐かしの、みつまJAPAN的に)。 綺堂の『近代異妖篇』読了。 『青蛙堂鬼談』の拾遺的な書かれ方をした本篇、格別であったのは『水鬼』です。 幽霊藻の伝説を縦糸にして、横糸に不実な男を殺害する凄惨な事件を織り込んだこの物語、綺堂の筆ののり方も他とは違うように思われます。 男を殺害する娘は、神経的な病だったのか、それとも官女に祟られているのかーー? ニューロティックな恐怖と、古典的怪異談のあわいを突いたこの作には、大変勉強させられました。 今私が書いている短篇が、同じようなテーマを扱っているので。 附録の『赤い杭』もいいですな。 深夜のカフェに寄って、ただ麦酒をあおり続ける役人たち、という描写がゾッとさせられます。 中公文庫さんには、まだまだ埋もれている綺堂読物を発掘して、出版していただきたい。 次は、岩波文庫の『芥川龍之介随筆集』を読みますよ。

甲州

今日、担当さんに怪奇短篇『双子』の改稿したものを渡しました。 なんとか雑誌掲載に至ってくれ! 一転して話は変わり、NHKのドラマにハマっている私です。 一本は『軍師官兵衛』。 随分前の項で触れましたが、初代福岡藩主・黒田長政公を生涯の英雄と仰ぐ私にとっては、大河も時代が変わったなあ、と。 何せ、如水・長政公の親子が主役ですからね。 しかし、前に触れたとおり、長政公が暗愚な武将と描かれないか、ハラハラしながら観ています。 今のところ松寿丸さまは、利発で武芸にも熱心なお子と描かれているので、ひと安心。 これから親子の相剋もテーマのひとつとなっていくらしいので、興味深い。 是非長政公贔屓の私も納得する描き方で、親子の葛藤を切り取ってもらいたいですな。 もう一本は『花子とアン』。 これは観ていて、物書きとして身につまされます。 自分は何の覚悟もなく、物書きの道に足を踏み入れてしまったのだなあ、と。 それと、梶原編集長がはなに言った、「君は作家になるには平凡すぎる」という言葉は、胸に刺さりました。 まあ、私も、近くでよく見てみれば、充分狂ってますがね。グヘヘ。 では、こぴっと次の短篇をがんばるずら。 あ、まず短篇を量産して、名を売ることが先決、探偵小説の長篇刊行はそれからついてくる、と思い直し、怪奇短篇に力をいれることにしました。 今執筆しているのは、域外知覚をテーマにしたものです。 いいものが書けますように…。

江戸

綺堂の『三浦老人昔話』を読了しました。 半七親分の友人・三浦老人が、喪われた江戸時代の面白話を物語るこの作、いやー、よかった! 特に、草双紙の魅力に憑かれた女の悲劇『春色梅ごよみ』や、清元の浄瑠璃に凝りに凝った旗本の殿様に待っていた運命を描く『桐畑の太夫』などがいい! 附録として収められた『黄八丈の小袖』も階級社会の悲劇で、思いの外いいです。 電車の中で読んでいたんですが、綺堂一流の語り口もありますが、江戸の魅力がこれでもかと伝わってきて、思わずニヤニヤしてしまいました。 階級社会で堅苦しい面もありますが、人間がそれでも生き生きと生活している様が感じられて、「江戸時代に生まれたかった……」と冗談でなく思いましたよ。 綺堂の半七捕物帳や江戸物の随筆がお好きな方は是非!

鳩首

今日久しぶりに文藝春秋本社に行ってきました! 去年書いた怪奇短篇『双子』の打ち合わせで。 以前からの担当編集者であるAさんと、別冊文藝春秋の担当のIさんと、書き直しの案を練ってきたのです。 「面白いけど、ラストがあっさりしてるので……」ということで、ラストの案を額を集めて打ち合わせしました。 三人寄れば文殊の知恵ーー自分ひとりでは思いつけない、良いラスト案が固まったわけで。 改稿がうまくいけば、8月発売の某誌に載るかもしれません。 まだ誌名は伏せておきますが。 つーことで、こぴっとがんばります!