投稿

7月, 2014の投稿を表示しています

校正

イメージ
今日短篇のゲラが届きました。 ゲラだけに、ゲラゲラ笑いながら修正をします。 (古賀新一氏の傑作・『妖虫』より) それではこぴっと修正をがんばりまーす!

悪漢

ちくま文庫版『芥川龍之介全集Ⅰ』読了。 再読のものがほとんどでした。 しかし、再読してもやはり昂奮が新たになったのは、中篇の『偸盗』ですね。 盗賊に身を落とした兄弟と、盗賊の首領の女の三角関係を軸に描いたピカレスクロマン。 文体、筋立て、アクション、すべてがまったく古びていません。 「現代小説の名うての書き手がこれを書いたよ」と言われれば、そう信じてしまいそうな圧巻の出来です。 「芥川って、鼻とか芋粥でしょ?」と、国語教科書の範囲で芥川を判断している人は、まず『偸盗』を読んでほしい。 彼の創作能力の電撃のような一閃に、戦くことでしょう。 しかし、芥川は「~なのであろう、~」って文章が好きですね。 そこは好みが分かれるかもしれません。 次は、綺堂の『古今探偵十話』を読みます。

採用

ついに……ついにこの日が来ました! 私の80枚の怪奇短篇『双子』が、雑誌に採用されました。 短篇は大の苦手で、今まで没を繰り返してきましたが、やっと陽の目を見る作品を書けたことに感無量。 雑誌というのは、文藝春秋から出る某誌なんですが、版元が正式なアナウンスを出すまで、公表は控えておきます。 校正もがんばります! 数年ぶりの表舞台やー!

疼痛

裂肛にまた苦しんでおるわけです。 つまりは切れ痔。 一字変えて、烈肛と書くと、何やら勇ましい感じになりますな。 トイレに行った後、ジンジンと疼痛が続き、悶えます。 ネリプロクト坐剤を手に入れて、坐剤を入れるのは上達してきたんですが……すぐまた切れる。苦しい。 こんな時に何かいい報せがあれば、気も紛れるんですがね。 と、どうでもいい投稿でした。ンガング(←昔のサザエさん)

狐狸

岩波の『芥川竜之介随筆集』読了。 面白かった! 友達がうんこを漏らす話がふたつ出てきて、そのうちのひとつは「喜劇中の喜劇」と芥川は言っております。 憂鬱な文豪も、うんこの魅力には勝てなかったようで。 その他興味を持った話で、芥川のお父さんが狐に化かされる話があるんですが、最近私は思っています。 昔の狐狸には、人をだます力があったのではないかと。 と言っても、それは人間側の能力が必要なんです。 昔の人間は、「狐狸には化かされる」と本当に信じていたので、夜道を歩いていて狐狸を見ると、「化かされるのではないか」という恐れから、一種の暗示にかかった状態になる。 そして、朦朧とした状態でドブに転げ込んだりして、「化かされた!」となるわけ。 『近代異妖篇』で岡本綺堂は、狐狸に化かされる現象を「動物磁気(今でいう催眠)」と喝破していますが、おそらくそれが当たっているでしょう。 狐狸と人間の相互の力が相まって、「化かす」という現象を起こさせていたのではないかと。 しかし近代化が進み、人から妖異を信じる力を失わせ、都市化の進行で狐狸も行き場を失い、滅びていく過程で「化かす」能力を失い、無味乾燥な現代に至ったと思います。 私が今住んでいるところは、東京二十三区でも辺境地区なので、たまに狸の姿を見かけます。 一度化かされてみたいんですが、未だそんな体験をしたことはありません。 勿体ない! では、次はちくま文庫の『芥川龍之介全集 Ⅰ』を読みます。 岩波文庫や新潮文庫には取られていない作品も入っているので、楽しみ。 それが全集のいいところ。