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千鳥

鈴木三重吉の初期短篇集『千鳥』を読み終わりました。 おそらく現代の人には、「三重吉が来て、鳥を御飼いなさいという」の漱石『文鳥』で名前を知っている人のほうが多かろうかも知れません。 この短篇集には、童話作家に転身する前の三重吉の処女作他が収められています。 これがねえ、いいんですよ。 三重吉自身、ほとんど空想で書いた的なことを解題で言っていますが、これがうまく功を奏してるんです。 漱石の『夢十夜』や百閒の諸作品とはまた違った味わいの、長い夢を見ているような、それでいてしっとりと情緒が感じられる、幻想的作品に仕上がっています。 処女作『千鳥』もいいんですが、というか収録作はどれも素晴らしいのですが、『おみつさん』と『烏物語』は何だか若い時の母親の夢を見て、母親が懐かしくなるような、そんな感じがします。 と三重吉を絶賛していますが、百閒の随筆によると、彼は私生活では、とんでもない人物だったようです。  (以下の三重吉伝説は、百閒作の随筆で読んだものですが、面倒で原典にあたっていないので、記憶違いがあるかもしれません) ・漱石の口利きで、千葉かどこかの学校に赴任したものの、大酒をかっくらって大喧嘩をやらかし、大怪我で入院。見舞いに来た漱石と門下の人たちに、ひたすら「私の不徳の致すところで」を繰り返したため、さすがの漱石も呆れて笑うしかなかった。 ・地方に赴く用事があると、「地酒なんか飲めるか!」と言い放ち、東京から樽酒を担いでいかせた。 ・当時、ダーウィンの進化論が訳されたが、誤訳があったそうな。三重吉は百閒たちと飲んだ後、ある家の前へ皆を連れてきた。それは進化論の翻訳者の家で、三重吉は聞こえよがしに大声で「ここが誤訳の大家の先生の家だぜ!」と呼ばわった。 等々。 豪快さんですね。酒癖が悪かったようで。 そんな三重吉が好きです。

焼酎

私、大のビール党で合間に日本酒、たまにウイスキーという感じでしたが、ダイエット面とコスパを考えて、最近本格焼酎を飲んでいます。 本当は芋焼酎は大嫌いだったんです。 あのエグ甘い感じが苦手で。 しかし、そうも言っていられず、最近は毎日飲んでいます。 スーパーとかで売っている比較的手に入りやすい芋焼酎を飲み比べてみましたが、断然、霧島酒造の物が安定してウマイですね。 クセが強すぎることなく、それでいて芋焼酎の骨格もしっかりして、飲みやすい。 黒霧島より白霧島(昔の「霧島」ね)のほうが、好きかな。 白霧島を、水割りかロックにして飲んでおるのです。 この前、友人宅で鍋パーティーをして、ついつい4合瓶をロックで空けちゃいました。 飲みすぎ注意……。 そういえば、内田百閒が「焼酎を飲んでいると鼻が赤くなる」と随筆で言ってましたが、本当なんでしょうか? 酒さ(「さ」の漢字がわからん)と焼酎飲酒歴の因果関係を調べた研究は、今のところないようですがね。 では。

悲劇

久しぶりにMAYHEMのDeadがヴォーカルをやっていたMORBIDの音源が聴きたくなって、MAYHEMとのブートレッグのスプリット盤『A tribute to the black emperors』をパソコンに入れてみたら……聴けなかった。 おかしいなあ。 昔のパソコンでは聴けたのに。 悲しすぎる。 脳漿ぶちまけジャケットの『The dawn of the black hearts』は問題なく聴けました。 ちなみに、MAYHEMで一番好きなアルバムは、ライブ盤だけど、『Live in Leipzig』です。 昔はよく寝ながら聴いていた。 Deadの声がかっこよし。 好きな曲は「Chainsaw Gutsfuck」。 ま、彼らの音源は、アッティラの呪詛のようなヴォーカルが聴ける1stフルまでしか持ってないんだけどね。 ということで、寝まーす。