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不満

不満が鬱積している私です。 というのも、池袋の某書店によく行くのですが、レジに購入者の年齢を店員さんが押すボタンがあるでしょ? あれをいつも凝視しているんですが、そこでいつも「40~」のボタンを押されてしまう。 ……ちょっと待て、と。 わしは39歳だ。 まだ不惑には間があるし、それにこんなだらけた格好の40以上の人はおらんだろ、と。 しかし。いつも「40~」。 あれこれ考えてみたんですが、よく私が「もっとあぶない刑事全事件簿 DVDマガジン」を買っているからなのだろうかと。 店員さんからすれば、「あ~、あぶデカね。この世代って40オーバーよね」みたいな感じで? 前項で「年老いることもいいな」と書いた私ですが、やっぱり実年齢より上に見られるのは厭ですね。 年齢相応に老けていきたい。 これから店員さんが「40~」のボタンを押しそうになったら、勝手に「21~」のボタンを押してやろうかと思っています。

親爺

映画を観たい病が亢進してしまったので、先日ついに重い腰をあげてレンタル屋に会員カードを作りに行った私です。 で、遅ればせながら『エクスペンダブルズ』の1&2を観ました! いや~、ド派手なアクションが爽快爽快。 1よりも2のほうが断然面白いです。 1は敵の用心棒にストーンコールド・スティーブ・オースチンがいるとはいえ、肝心要の悪役がエリック・ロバーツというのはちょっと物足りない(ミッキー・ロークの登場場面はよかったけど)。 しかし2は悪役がジャン=クロード・ヴァン・ダムですからね! しかもシュワとブルース・ウィリスもちゃんと活躍するし、「あの」チャック・ノリスがまた渋くてカッコいいんだ、これが。 チャック・ノリス登場場面で感涙でした。 3の製作情報によると、ブルース・ウィリスは残念ながら降板ですが、ハリソン・フォード、アントニオ・バンデラス、ウェズリー・スナイプスが参戦するし、何と悪役にメル・ギブソンですよ! メル・ギブソンは最近のゴシップ報道ですっかりハリウッドの悪役になってしまった感があるので、はまり役でしょう。 期待大。 こうして観て思ったのが、「年を取るのもいいもんだな」ということ。 顔に皺が深く刻まれた武骨な面構えのオッサンたちが、多少ゆるんだ軀を改めて鍛え上げて、スクリーン所狭しと暴れまわっている。 これがある種の男の哀愁を感じさせて、いいんですね! また、それぞれの往年のアクションスターの私生活やら出演歴やらの人物背景がそこに透けて見えるから、いっそう感慨が深くなります。 いささか単純ですが、私もエクスペンダブルズの面々のように、皺くちゃになっても軀を鍛えて、イカれたBad Assなオッサンを目指したいと思います。

嘔吐

といっても、サルトルではありません。 唐突ですが、私は嘔吐恐怖です(今はだいぶん軽快していますが)。 自分が吐くのも厭だし、人が吐いているのも厭! ノロウイルスの季節なんて、怖い怖い。 で、先週乱歩の『黒蜥蜴』を読んでいて思ったんですが、自分の嘔吐恐怖の原因は、この作品にあったのではないかと。 中盤辺りで、黒蜥蜴が大阪の宝石商の娘を誘拐するために、新品のソファに反吐のようなものをぶちまけておく作戦を取る場面があります。 ポプラ社版の子供向け『黒蜥蜴』にもこの場面が出てきて、子供心に「おえっ」と思いながらも、何度もその場面を読んだことを思い出しました。 そう、自分は嘔吐恐怖ですが、人がもどしたものが駅なんかにあると、ついつい目が惹きつけられてしまうんです。 それは何か根源的な欲動が働いているかのような、異常な注意の向き方なんです。 これは、子供時代に『黒蜥蜴』を読んで、「気持ち悪いな」と思いつつ、貪り読んでしまった経験が根底にあるのではないでしょうか。 厭だけど反吐を見てしまう心理をさらに考えていくと、自分は口唇的な欲動に取り憑かれた人間ではないかと思い至りました。 本当は反吐が咽喉を通る苦しみを伴った快感に酔い痴れたいのだが、それは自我や超自我が許さず、嘔吐という口唇的欲動は抑圧されてしまった。 そして、反動形成として、嘔吐恐怖という症状ができあがったのではないか、と。 しかし、欲動は自我の検閲をすり抜けて、妥協的な形で「厭だが見てしまう」行動として現れたのではないでしょうか。 そういえば、拙著にも嘔吐の場面が必ず出てきます。 口唇的欲動、恐るべし。 そして人間の人格形成にも深い影響をおよぼす乱歩小説、恐るべし。