瘋癲
ハーシェル・ゴードン・ルイス監督の『2000人の狂人』をDVDで再見しました。 ……クリスマスイヴを前にして、何をやってんだ、私は。 いや、何故か行きつけのレンタル屋さんで、H.G.ルイス作品をごそっと入荷してたもんで、つい。 物語は観ていない人にも結構知られていると思うので、割愛しますが、正直現在の目から見ると退屈かも。 南部のカラッと乾燥してレイドバックした雰囲気の中、殺戮が起きる(後のトビー・フーパーの『悪魔のいけにえ』に通ずるものがありますね)というのは、物語の異常性を際立たせていてよいんですが、如何せん演出まで弛緩しちゃってるような感じので……。 主人公の女性が逃げる際、途中の川でスカートをたくし上げて腿を洗うところを念入りに撮っているのは、ルイスの「血みどろだけじゃないぜ、男性諸君! ちゃんとお色気もあるでよ!」という商魂たくましさが表れているようで微笑ましかったです。 小学校高学年頃、私が持っていたホラー映画のムック本に「H.G.ルイスはG.A.ロメロと双璧を成すホラーのパイオニア」みたいなことが書いてあった記憶があるんですが、それはロメロに失礼です。 まあ、最近のロメロもたいがいですが。 ここで個人的な告知ですが、GEOの東京某店で『秋刀魚の味』を借りっぱなしにしている君、早く返しなさい! わしが観れんじゃないか!