喝采
「♪いつものように、幕が開き~」ではなく、ダリオ・アルジェントの『オペラ座 血の喝采』を観たのである。 瞼を閉じると針が刺さる、瞬き針責めのシーンを映画ファンなら一度は見たことがあるかもしれない、ないかもしれないそこそこ有名な作品です。 で、中身ですが、アルジェントの作品にしては割りとかっちりした作りになっています。 (彼はたがが緩んだような結構の作品をよく作っていたので……)。 ひょんなことでマクベス夫人の役を射止めた歌手が、変態殺人鬼に狙われる、といった物語。 中でも、自分の部屋にいる刑事が偽者なのか、あるいは外にいるのが偽者なのか、と混乱する場面はさすがのサスペンス。 しかしですね、どんでん返しのネタは、そりゃあちょっと無理じゃござんせんか、と言いたくなります。 屍体と××を間違えるなんて、あり得ないでしょ。 あと、オペラの世界の話なのに、要所要所でメタリックな歌がかかるのは、アルジェントの趣味ですよね(演奏してるバンドは、エンドクレジットを見てもよくわからなかったけど)。 で、そんなこんなで結構楽しめちゃいました。 ホラー好きには間違いなくオススメです。