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12月, 2014の投稿を表示しています

再会

8年ほど前に、あの人と初めて会った喫茶店――降誕祭前夜に、思い出の喫茶店で再会しました。 といっても浪漫的な話ではなく、編集者さんとクリスマスイヴに打ち合わせたわけで。 短篇の改稿のことだったんですが、話し合っていると、的確に物語の弱点を突かれるんで、さすがやなと思います。 でも、おかげで次の短篇は、いいものになりそうです。 年明けに完成作と言えるものを、ピシャーッと提出したいですよ。 全国に僅かにいる倉野マニアの方々、雑誌掲載を楽しみにしててくだちい。 ではでは、またんご。

団円

今年のNHK大河ドラマ『軍師官兵衛』が終わりましたな。 黒田長政ファナティックの私は、長政公がどう描かれるか注視していたのですが、朝鮮出兵以後の徳川の天下に賭けた長政公の姿は、おおむね納得のいく描き方で、安心しました。 関ヶ原では水を得た魚のように、小早川、吉川に調略を行っているのも丁寧に描かれていたし。 欲を言うなら、本戦の島左近との激戦も描いてほしかったですけどね(奮戦する島左近を討つために狙撃隊を送り、それを契機に一気に石田本陣の壊滅へ追いやった武功です)。 三成に陣羽織を着せ掛けるところもあったし、満足(しかし、あそこの三成は、「かたじけない……」と、しおらしくしてほしかった笑) で、合戦後、長政公ファンなら誰もが固唾を吞んで見守ったはずです、アレはあるのか?!と。 そう、父如水から言われる「そちの左手は……」のくだりです。 このくだりは後世の拵え事であることがわかっていますが、いまだに如水信者は長政公を貶めるために言い立てるのでウザいんです。 そして本編で、やっぱりありました、そのくだり。 観ながら内心、「あちゃー」と思ったんですが、ここからの描き方が出色でした。 家康との会見で、如水は己の器量が家康には負けていることを知り、潔く負けを認め、長政公を後に呼んで、「関ヶ原でお前は俺を超えたな」と言わせるのです。 これが如水の偽らざる心境の変化ではなかったでしょうか。 至極公平な描き方で、脚本家の方に喝采を送ります。 (如水を演じた岡田准一氏も、「『そちの左手』のくだりは史実ではないでしょう。あの如水なら、息子の大手柄を褒めてやったはず」とインタビューでも語っていたので、岡田氏にも拍手)。 こうして『軍師官兵衛』は親子の葛藤の物語でもあり、成長した息子との和解、というテーマが一本通っていたことを思い知らされました。 いやあ、今年の大河は長政公派の私にも大満足でした。 ではでは、またんご。

叫喚

やっとの思いで、今更『スクリーム4』を観ました。 このDVD、TSUTAYA限定レンタルだそうで、近所のTSUTAYAが潰れて久しい私は、なかなか観る機会がなかった……。 で、地元に改めてTSUTAYAがオープンしたんで、早速借りてきた次第。 キャストですが、準主役でエマ・ロバーツが出ているのがまずポイント。 彼女は、我が愛するL.A.Gunsのベース、Kellyの義理の娘なんですよ。 内容は、というと、うーん、まあそれなりに楽しめたかな、という感じ。 ウェス・クレイヴンとケヴィン・ウィリアムソンが再びタッグを組んだんですが、可もなく不可もなくかなあ。 まあ『スクリーム3』よりは面白いです。 第1作のランディを髣髴とさせるような映画オタクが出てきますが、ランディのキャラ立ちには遠く及びません。 というか、登場人物が全体的にキャラが弱い気が。 そのせいで、面白味と意外性も3割減な感じ。 と、色々ケチをつけたような格好ですが、あの監督と脚本家タッグが復活したのは素直に嬉しかったので、また『スクリーム5』を楽しみにしていますよ、と。 ではでは、またんご。

好転

久々に担当さんと打ち合わせたのである。 ふたつ怪奇短篇を送ってたんですが、そのうちひとつが改稿次第で、また雑誌に載るかも?って感じっす。 当面は池袋を舞台にした、綺譚を書いていく所存なり。 ペンディングになっている長篇についても、しっかりお願いしてきましたよ。 担当さんからは、「状況が変わってきているので、まだ諦めなくていい」とは言われました。 来年は短篇に長篇にと八面六臂の活躍をしたいなあ、と妄想する倉野氏なのでした。

安息

久々に音楽ネタを。 デビュー作に巻頭歌を拝借したBlack Sabbathは以前は大好きなバンドでした。 もう毎日ほぼ一日中聴いてましたね。 あのトニー・アイオミが奏でる、どよーんとしたヘヴィリフを聴いていると、頭がぽやーんとして、いい気分になるのです。 オジーからトニー・マーティン時まで、全アルバムを揃えていましたが、お金に困った時に全部売っちゃったのが悔やまれる。 まあ、最高傑作は、『Snowblind』を収録した『Vol.4』、と言いたいところですが、やっぱり『Master of Reality』かな。Doomyとは何ぞや、という魅力が凝縮された一枚です。 Sabbathに影響を受けたバンド群、Witchfinder General、Cathedral、Candlemass、Saint Vitus、Solitude Aeturnus等々も聴きましたが、これらのバンドで真底すげえ! と唸ったのは、Cathedralと元PANTERAのPhil Anselmoが結成したDOWNです。 Cathedralは元Napalm Deathのリー・ドリアンが結成したバンドで、激速グラインドコアをやっていたND時代とは激変した、1stでの世界最遅とも称されたズルズルで耽美的なヘヴィネスが魅力です。 ではSabbathっぽいか、と問われると、ちょっと疑問な気もしますが。 2nd以降ではよりSabbath的なハードロックに接近したんですが、ちょっと退屈に感じられて……。 あ、でも2ndの『Ride』は名曲ですよ! で、一方のDOWNですが、これは最高。凡百のSabbathフォロワーを軽く突き放している。 Doomyなリフに、ノリのいい後打ちドラム、そして何と言っても南部の埃くさい空気が伝わってくるような乾いたグルーヴを絶妙にミックスし、ノリにノレます。 Philは最近は喉が荒れておるようですが、額に青筋が立つんじゃないかという特有のシャウトもキメてくれます。 まあ、この辺のヘヴィミュージックがお好きな方は、当然チェックしまくっているでしょうが、未聴な方は是非。 思えば、デビュー作を出す時に、巻頭歌を拝借した関係で、当然文春の側からオリジナルSabbathの面々に著作権料をお支払したんですが、それが私の唯一の自慢です。 メタル伝説の御大