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執念

もう何回目かわかりませんが、綺堂の『青蛙堂鬼談』を再読しました。 今回は中公文庫版。 これは旧仮名遣いなので、古き佳き雰囲気が感じられていい! 収録作でやはり一番の出来は、『利根の渡』でしょうか。 復讐に憑かれた男の鬼気迫る話。 しかし、物語の中で一番浮いてる感じがするのも、この話な気が……。 はっきりと理由はわかりませんが、何か他と違う感じがするんですな。 解説の千葉俊二氏が、綺堂の怪談には珍しく「因縁話めいて理屈っぽい作品」とおっしゃってますが、違和感の原因は、そこ辺りにあるんでしょうか。 次はやはり綺堂の『三浦老人昔話』を再読しまっす。

妖虫

乱歩の『妖虫』再読。 初読の時に、犯人の動機に唸ったものですが、今回読んでみても、「親の因果が子に報い~」的な悲惨な動機に圧倒されました。 しかしラストが駆け足で、動機もさらっと書いてあるだけなんで、ホームズ物の長篇みたく、犯人が犯行に至る背景を一篇の小説にして、前後篇仕立てにしたら、もっと鬼気迫る物になったかも、と妄想。 次は綺堂の怪談小説三冊を再読します。 では。

転寝

さっきうたた寝をしていたら、夢を見ました。 その夢で、ぼんやりと構想はあったものの、はっきりしなかった新作長篇の枠組みが啓示されましたよ! 今回は夷戸たちは出てこない単発の作品にしようと思います。 ジャンルは、80年代に流行ったスラッシャームービーにオマージュを捧げた、キッチュなホラーです。 山深いある地方にある廃園になった遊園地ーーそこに胆試しに出かけたR大学の軽音楽サークルの面々が、次々と奇怪に殺されーーという、コテコテのスラッシャー。 犯人の動機も、「今頃そんなことを明かされても知るか! 反則や!」的なお約束を踏んだものにします。 タイトルだけは前から決めてあったんですが、『グレート・スラッシュ・パンク』にしようかなと。 「スラッシュ・パンク」なる言葉は、数年前に観たB級スラッシャー映画の特典メイキングで、進行役の女性が、こうしたややチープなスラッシャームービーの総称として使っていて、「いいな」と思っていたのです。 1年に1回しか創作アイデアが湧かない(しかもそのアイデアは短篇のこともある)怠惰な私ですが、これからがんばりますよ~!! この出版不況下、しかも一部の大御所の作品はバカ売れするが、そうじゃない作品は見向きもされない時代ですが、作品が採用されるかされないかなんて、考えないことにします。 楽しんで書ければいいのだ。