投稿

11月, 2012の投稿を表示しています

飲助

筋トレとジョギング後に、シャワーを浴びてさっぱりして、録画していた『吉田類の酒場放浪記』を見ながら、ビール、チューハイ、日本酒を傾けた倉野です。 いい気分です。 前にもちらっと触れたこの番組、本当に面白いです。 民放系BSで一番数字を持っている番組とも言われているそう。それも頷ける。 吉田類さんが纏うゆるーい空気と、町の居酒屋が持つこれまたゆるい雰囲気がフュージョンして、絶妙な空気感を産み出しております。 類さんは居酒屋を紹介する酒場詩人としてはかなりのオーソリティと思いますが(万を下らない居酒屋を訪れたとネットのインタビューでおっしゃってたような)、そんなことを微塵も感じさせないところがよいです。 時々酒や肴について知ったかぶる、他客の肴を強奪、からしつけ過ぎ、などなど、およそオーソリティとは思えぬクスっとくる行動の数々がよいアクセントになり、ただゆるくなるだけに流れがちな番組をあくまで柔らかく締めています。 常連客がたむろしている地元密着居酒屋なんて、実際入ろうと思ってもなかなか入れないんですが、なんだか行ったことがあるような錯覚をもたらしてくれるこの番組、いいです。 というか、今度近所の非チェーン系居酒屋に勇気出して行っちゃおうかな、と思わせるものを持っています(さすがにひとりでは行けないので、誰か誘ってね)。 そして当日は駅紹介、駅前の散策、からの、居酒屋突撃をして、飲んだ後は「もう一、二軒行っちゃいますかね」と後ろ手で去っていく「類ごっこ」をやってみたいと思います。 類さんは講演もいろいろやってらっしゃるようなので、そのうち類Liveを堪能したいと思います。 あー、いっぺん類さんと一緒に酒呑みたい!

懺悔

今年も残すところ1ヶ月ちょっとですね。 12月18日頃店頭に並ぶ予定らしい、南雲堂さんの『本格ミステリー・ワールド2013』の「作家の計画・作家の想い」の項で、コラムを書いています。 今回は、大好きなバンドL.A.Gunsについて語っています(および、近況報告もちょこっと)。 どうかお買い求めください。 昨年の決意としては、「一年に一作出す」というものだったのですが、今年はいきなり諸事情で新作が出せませんでした。 私の本を待っていらっしゃるかもしれないハードコアなファンの方々には、誠に申し訳ないことです。 来春には出せそうですので、どうか見捨てないで~! そういえば、暇にあかせて、『幻覚について』という50枚の短篇を一本書き上げました。 しかし、短篇が大の苦手の私、「これは果たして面白いんだろうか?」と自分で思いながら書いていました。 一応、文藝春秋の担当編集者さんに送りましたが、日の目を見ない公算が大きいと思われ……。 そんなこんなで、来年はもっと文筆で働こうと決意を新たにする倉野なのでした。 余談ですが、このブログ、「倉野憲比古」で検索しても、上位に表示されませんね。 というか、検索順位をずるずる下げている状態です。 インターネットに詳しくないので、どうしたらいいのかわかりませんが……。 このブログも来年は千客万来となってほしいものです。

愛憎

承前  倉野投手は2004年に初めて導入されたパリーグプレーオフでも、絶体絶命のホークスを救う快投を見せました。 本人曰く、試合前は吐きそうだったと。その重圧をはねのけて、チームを勝利に導きます。 惜しくもプレーオフ最終戦でホークスは敗退しましたが、その快投ぶりは「谷間に咲く一輪の花」とも形容され、ファンの喝采を浴びたのです。 ところが……ここからが、今回記事の肝なんです。 それから引退までの2年間、倉野投手は思ったような成績を残せませんでした。 私は歯嚙みするような思いで、彼を見守ったものです。 そこで、私の精神に変質が生じました。 倉野投手を好き過ぎるあまり、「ホークス負けろ!」と呪詛するようになったのです。 どういうことかというと、倉野投手が活躍するには、勿論本人の快投が絶対条件です。 しかし、それが叶わぬ時には……? 周りの投手が打たれるのが、倉野投手にチャンスが回る最短距離となります。 そこで、「ホークス投手陣打たれろ!」がさらに嵩じて「ホークス負けろ!」とマイナス要素だけが凝固していったのです……。 ホークスは好きだが、倉野投手がいる限り、負けてほしい――このアンビヴァレントな心理! 確かに私は恥ずかしい。 これがチームのファンでなく、個人のファンである人の陥りやすい罠だとは、私もわかっていました。 しかし、しかし、わかっていながらも、その陥穽、修羅の道に私は足を踏み入れてしまったのです。 それは何故なら、私が倉野投手を大好きだから! 倉野投手を応援する過程でいつの間にか愛し始めていたホークス球団自体をも、私は日々呪詛し、投手陣を呪うという魔道……。 これは倉野投手が引退する日まで続きました…… この異常なファン心理! これが私のホークスとの愛憎の歴史の顛末です。 やっと今は倉野コーチ(今はホークスの三軍投手コーチであります)のブログなどを冷静に眺められるほど更生しましたが。 更生したとはいえ、今でも倉野コーチには一目会ってみたいですけどね! ぐひひ。

運命

おはようございます、野球大好きの倉野です。 こんな素晴らしい野球人がいたと紹介する(?)、今回の記事は長いですよ~。 ちなみに、私の昔から贔屓の球団は、日本ハムファイターズ。 「え、福岡出身なのに、ホークスを応援しないの?」と疑念を抱く向きもありましょう。 ホークスが福岡移転する前よりファイターズファンの私からしたら、ホークスは単なるライバル球団の位置づけに過ぎないのです。いや、過ぎなかったのです……。 というのは、事は私の大学時代に起こりました。 新聞の大学野球の記事を読んでいたら、青山学院に倉野信次といういい投手がいる、と出ていました。 ここでもう「え?」ですよ。 倉野姓ってなかなかいないんですよね。私は立教で、彼は青学――大学こそ違えど親近感が湧きました。 しかも調べると、自分と同い年、同じ身長、同じ血液型、しかも倉野投手は宇治山田高校(進学校らしい)の出身。我が倉野家も、祖父の憲司の時代には、宇治山田に住んでおったことがありました。 ここまできて、これを単なる偶然の一致と捨てされるものでしょうか? 否! しかもしかも、倉野投手はドラフト4位指名でホークスに入るという! ――我が故郷の球団へ。 これはもう、運命的な邂逅と言ってしまっていいでしょう! こうして私は一時的にファイターズを放り出し、倉野信次フリークとして、ホークスファンになったのです。 倉野投手は入団一年目にジュニアオールスターでMVPを獲り、二年目のペナントレース前半戦ではもう一軍の中継ぎでガンガン投げてました。 中継ぎも先発もできる使い勝手の良い選手なので、五年目には先発、中継ぎ、抑えと大車輪の活躍で、7勝4敗1Sの好成績をあげます。 しかし! 彼の野球人生の頂点は、間違いなく2004年でしょう。 2004年――寺原投手が無事に投げていれば、倉野投手が二軍に落とされることになっていた、開幕直後の西武戦。 寺原が序盤から乱れ、すぐにロングリリーフのできる倉野投手にスイッチ。(確か一死満塁かなんかの大ピンチで回ってきたはず)。 そのピンチをものともせずに後続を打ち取ると、ロングリリーフの適性を首脳陣に遺憾なく見せつけます。 こうして倉野投手の二軍落ちはなくなり(代わりに二軍落ちしたのは寺原投手だった……)、この年はずっと一軍で働きました。 途中

夢境 

眠れない頭を抱え、「えい、畜生」と明け方四時にマイスリー十ミリグラム錠を口に放り込む。 二時間半後、目が醒める。といっても、半睡半醒。 カーテンを閉めた映画館のような、階段教室のような薄暗いところで、近い席同士の人間と獣が一緒に何かしている。 私は、洋服を着た恰幅の良い豚と、七輪で焼肉をしている。 煙が他の人々の迷惑にならぬか心配しながら、相手の豚に声をかける。 「これじゃあ共食いだね」 豚は目をさらに細めて笑い、「イエ、最近はそうでもありません」 「何がそうでもないのだ」と内心不可解に思いながら、館内(?)が白々としてきたのは、七輪の煙のせいばかりではなかった。 カーテンの隙間から白い朝陽が差し込み始めると、恰幅の良い豚も、秘密めかした麒麟のおばさんも、霧みたいにどこかへ行ってしまった。 気づくと私はまだ、ベッドに寝ていた。 今見たものは、何かの小説本から抜け出てきた光景だろうか、とぼんやり考えた。

開店

志賀直哉の小説を今日読んでいたら、「小間物屋を開く」という表現が出ていました。 文脈で大体意味はわかったものの、やっぱり「はて?」と思い、辞書を引いてみたら――「へどを吐く」の俗語でした。 小間物屋が店先にいろんな細々した商品を並べて出すところから、飲んだり食ったりした物をいろいろ吐くことの比喩だそうな。 随分と洒落た表現ですね。面白い。 これから忘・新年会の季節、街のあちこちで小間物商人が店を開くことになるので、気をつけなきゃいけません。 私も開店しないようにします。

嗜好

作品中からも窺える通り、私は煙草が好きです。 厳密に言うと、「好きでした」。 現在は、人生何度目かの禁煙中です。 煙草を吸って二十年以上、最初に吸ったのは今はなきバンテージでした。 それから、日本で発売された紙巻きは大体一度は手を出してみたかな。 大学時代が、いちばんいろんな銘柄を吸っていた時期だと思う。 日によって、違う煙草を吸ってました。 結局喫煙歴が長かったのは、定番のマールボロ・メンソール・ライトでしたが。 小説の主人公・夷戸君はゴロワーズ・レジェールを吸っていることになっていますが、あれはフランス煙草のお洒落さ加減で決めただけです。 実際は、好きな煙草ではなかったなあ。 なんか粉っぽいような発酵したような、独特の味がして。 二度と吸うまいと思った。 煙草と同様に、お酒も大好きです。 麦酒と日本酒が好き。 日本酒は、珍しく東京で作っている「屋守(おくのかみ)」がお気に入りです。 池袋にある、たまに行く日本酒居酒屋では、必ず頼みます。 麦酒は特に銘柄によって好みはありませんが(アサヒはちょっとだけ苦手かも)、ギネスがあればとりあえず飲んじゃう。 麦芽100%系の麦酒がやっぱり好きかもしれません。 私がレッドアイ(麦酒のトマトジュース割ですね)を飲み始めたら、「ちょっと酒を飲むのに疲れた」という意味ですので、お察しください。 お酒といえば、BS-TBSでやっている『吉田類の酒場放浪記』が好きで、毎週録画して観ています。 修行を重ねて、酒場詩人・吉田類さんみたいなオヤジになりたいと思っている昨今です。 新作『弔い月の下にて』では、色々な煙草や麦酒が出てくるので、好きな人はちょいと注目してくださいね。