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没書

前回書いたように、新たな短篇『双子』の執筆に注力している倉野です。 といっても、まだ原稿用紙37枚しか書いていないんですが……。 いやあ、短篇は難しいですね。 担当さんにも「倉野さんは何でいい短篇が書けないんだろうなあ。長篇型の人なのかな」と言われる始末で。 今まで没になった短篇にも歴史があります。 『蝦蟇』という怪奇短篇については、「話の肝がぼんやりしていて、何が言いたいのかわからない」と言われ、以前にブログでも執筆を告知した短篇『幻覚について』などは、「人物像が紙芝居をみているよう」と酷評され、数回の改稿後に結局没になりました。 他にも没短篇多数。 短い中に、人物を際立たせ、そしてピリッとしたオチをつける――いやはや難しい。 まあ私の実力不足といったらそれまでなんですが、今回は以前の反省を踏まえて、なんとかアクセプトされるよう苦心しています。 没を重ねた分、学習能力は上がっている、と思うので(上がってなきゃ困る!)、今度こそはいい作品が書けて、採用されますように。 お盆休み前までに書けたら、と思っているんですが、どうなりますかねえ。

執筆

東京都心では、蝉の鳴き声も昨日から聞こえ始め、本格的に夏ですね! 夏といえば怪奇小説! というのは前回言いましたね。 でも今回は読むのではなく、書く話です 長篇第三作の怪奇探偵小説の改稿が終わり、暇になったので、新たな怪奇小説の執筆を始めました。 百枚くらいの短篇になればいいなと思って書いています。 仏蘭西の精神病理学者カプグラの論文を読んでいて、着想を得た短篇で、その名も『双子』。 カプグラがどのような人か知っている方には、題名を見て「ああ、その手の話ね」と予想がつきそうですが、なるべく予想を裏切るものになるようがんばっています。 しかし! 短篇は今まで担当さんにことごとくボツにされた、鬼門の分野なのです。 今回も「たぶんボツだろうなあ」と脱力しつつ書いています。 『双子』、果たして日の目を見ることはあるのか? 乞うご期待。

東雲

夏風邪をひいたりしてましたが、こう見えても結構夏っぽいことが好きな倉野です。 海にこそ行きませんが、花火大会を見たり、近所の盆踊りをぼんやり眺めたり、オールで飲んでみたり。 あと、球場に行ってのプロ野球観戦ね! 中でも夏で好きなのは、夜中に怪奇小説を読むことです。 これは大学生時代からやってますね。 古典といわれる古い怪奇小説を繙き、蒲団に横になる。 暗いどんよりした夏の夜に夢中になって読んでいて、あっと驚くような結末を迎える。 ふと、カーテンをめくってみると、外は白々と明けている。 これがいいんですね! 趣深いなあ。 読み終わった時に、白々明けになっていることがベストです。 怪異から現実にようやく戻ってきたような、しかし未だ怪異は闇がわだかまっている樹々の奥などに潜んでいるような、そんな感じを得られるからです。 そういえば本邦怪奇小説翻訳の大家・平井呈一先生は、マッケンだったかの名作(今手許に平井先生の随筆がないので違うかもしれません)を夜中に読んで、あまりの読後感に未だ仄暗い街を亢奮して歩き回ったそうですが、その気持ちはよくわかります。 そういえば、怪談は日本では夏の風物詩ですが、欧米では冬の夜に炉辺に集まってやるものだ、みたいなことを平井先生が書いていた気がしますが、なるほど文化が違うなあと思ったものです。 今は私はポオ全集を読んでいますが、ちょうどいい季節になってきたと思っているところです。 ではまた。

文体

この一ヶ月、改稿していて思ったこと。 「自分の文章って変だなあ」と。 何というか、固いというか、晦渋というか、こなれてないというか。 それで、担当さんに原稿を送ったついでに訊いてみました。「変ですよね?」と。 そうしたら、「ちょっと変かもしれませんね。こなれてないと思いきや、妙にこなれているところもあるし。でも私は結構好きですよ」的な返事をいただきました。 そうかー、やっぱり変なんだ(笑) でも担当さんは好きだと言ってくれているので、今後もこの文体でいこうと思います。 晦渋だっていいじゃない。 目指せ、ヘヴィー・ノベル!!

送付

イメージ
ご無沙汰していました。 たった今、新作の改稿を終えて、担当編集者さんに送ったところです。 いやー、今回は全身全霊を込めて書き直して……と言いたいところですが、寸暇を惜しんで、ベイスターズを応援に横浜スタジアムや神宮球場に行っていました。 まあ、息抜きも重要ということで。 あ、今年からすっかりベイファンになった倉野です。 しかし、読み返してみると、「これで完成!」と思っていた稿も、細かい矛盾点や説明不足なところが見つかるもんですね。 書き直しを命じられて最初は不満に思いましたが、今回改稿の機会が与えられてよかったですよ。 後は来春の出版を祈るだけ! 随分先のことですが、楽しみは先にあったほうがいいということで。 とりあえず、部長さんの最終OKを早く貰いたいです! ではまた。