告知 リンクを取得 Facebook Twitter Pinterest メール 他のアプリ 8月 22, 2014 既にAmazon他でご存知の方もいらっしゃると思いますが、別冊文藝春秋電子増刊「つんどく!」vol.4に、私の短篇『双子』が掲載されます! 初めての短篇、初めての怪奇小説です。 気合い入ってます! 8月29日発売ですので、皆様ご一読ください。 3年ぶり?の復活作です。これからは性根を入れ換えて、短篇発表でコツコツと知名度を上げたいと思っています。 やったるで~! リンクを取得 Facebook Twitter Pinterest メール 他のアプリ コメント
播摩 10月 21, 2012 文学でも音楽でも、全体としてはいまひとつ心に響かなくとも、「この部分だけは百点満点!」といった箇所を持つ作品があります。 私にとって『暗夜行路』がそんな作品のひとつです。 筋は大抵の方が知っているでしょうから省きますが、割と最初のところで出てくる夢の話が抜群にいいのです。 主人公が寝ているところへ、知人が妙な笑顔で入ってきます。 そして阪口という男が旅先で死んだことを告げるのです――「播摩をやったんだそうだ。――到頭やったネ」と。 主人公は「矢張りそうか」と思い、播摩というのはよくわからないけれども、命がけの危険な方法で、阪口がそれを大阪で教わったということは知っているのです。 阪口というのは淫蕩のためにはあらゆる刺戟を求める男だったが、播摩まで堕ちたかと思うと主人公はぞっとします。 「播摩と云うのはどうするのだ」と主人公は訊きかけますが、聴いたら屹度自分もやる、と思い、さらに慄然とするのです。 ……ここまで読んで、私は(あるいは大抵の読者は)「播摩って何だ―ッ!?」という凄まじい疑問に囚われるのです。 新潮文庫版の注解には、ただ「性交態位のひとつ」と素っ気なく書いてあるだけです。 この注解を読んでさらに、読者はめくるめく妄想の世界に没入することになります。 播摩――やったら死んでしまう体位、聴いてしまったら屹度やりたくなり、命を落とす――まるで強力な麻薬のようなものを想像し、どんな格好をするのかなんてさっぱり想像がつきませんが、とにかく禍々しいものだろうくらいは思いが至ります。 読者はもう播摩の虜になり、その言葉が頭にこびりついて離れなくなります……。 これが『暗夜行路』で「百点満点!」な部分です。 正直、粗筋はあまり憶えていなくとも、「播摩」の部分は憶えている方もいらっしゃるのでは。 ちなみに『暗夜行路』では、妻が走り始めた汽車を追いかけて乗ろうとしたところを、主人公が何を思ったかホームに突き飛ばす場面も、個人的には百点満点です。 全体としては楽しめなくとも、部分的には「さすが」と思わされるところがあるのは、やはり名作なんでしょう。 続きを読む
再開 4月 01, 2022 恥ずかしながら、四年ぶりにブログに帰ってきました。この間、色々あったなあ。 旧作の電子化、竹本健治さんと変格ミステリ作家クラブを立ち上げ、新作の刊行!などなど。プライベートでも激動の日々でした。 Twitterばかりにかまけていたので、ブログを放置していまして。しかし、盟友・朝宮運河さんに影響され、また再開しまして。 再開したのを契機に、ブログタイトルも変えました。 またこれから独語を弄するので、見に来てくれよん。 今回はご挨拶だけ。 続きを読む
悲惨 3月 21, 2018 齋藤秀昭選『明治深刻悲惨小説集』(講談社文芸文庫)を読み終わっていました。 いやー、もうタイトル通り、貧窮の人生の闇黒、悲惨のオンパレード! これでもか、これでもかと、つらい物語が続きます。 就中、よかったのは川上眉山『大さかずき』、前田曙山『蝗うり』、広津柳浪『亀さん』、小栗風葉『寝白粉』、樋口一葉『にごりえ』あたりでしょうか。 特に一葉は恥ずかしながら初読だったのですが、深い感銘を受けました。 悲惨続きで多少飽きてきた本書の最後をぴりりと〆てくれます。 ただ悲惨なだけじゃない、悲惨さの中にも、しっとりとした情感があります。 さすが天才! と唸らされる出来でした。 それともうひとつ驚きだったのは、『寝白粉』と徳田秋声の『藪こうじ』に見られる、被差別部落のテーマ。 部落差別を扱った小説と言えば、藤村の『破戒』が有名ですが、それでけだなく、社会の暗部を抉った悲惨小説群にも、ちゃんとこの部落問題が扱われていたのだな、と。 「新平民」と呼ばれ依然として(今もなお)続く差別を、これらの作家が取り上げて、糾弾していた明治という時代の文士に喝采を送りたくなります。 本書は特にお薦めです。ちょっと高いですが、是非手に取って明治の暗部をその目にしてください。 続きを読む
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