東雲

夏風邪をひいたりしてましたが、こう見えても結構夏っぽいことが好きな倉野です。
海にこそ行きませんが、花火大会を見たり、近所の盆踊りをぼんやり眺めたり、オールで飲んでみたり。
あと、球場に行ってのプロ野球観戦ね!

中でも夏で好きなのは、夜中に怪奇小説を読むことです。
これは大学生時代からやってますね。

古典といわれる古い怪奇小説を繙き、蒲団に横になる。
暗いどんよりした夏の夜に夢中になって読んでいて、あっと驚くような結末を迎える。
ふと、カーテンをめくってみると、外は白々と明けている。

これがいいんですね! 趣深いなあ。
読み終わった時に、白々明けになっていることがベストです。
怪異から現実にようやく戻ってきたような、しかし未だ怪異は闇がわだかまっている樹々の奥などに潜んでいるような、そんな感じを得られるからです。

そういえば本邦怪奇小説翻訳の大家・平井呈一先生は、マッケンだったかの名作(今手許に平井先生の随筆がないので違うかもしれません)を夜中に読んで、あまりの読後感に未だ仄暗い街を亢奮して歩き回ったそうですが、その気持ちはよくわかります。

そういえば、怪談は日本では夏の風物詩ですが、欧米では冬の夜に炉辺に集まってやるものだ、みたいなことを平井先生が書いていた気がしますが、なるほど文化が違うなあと思ったものです。

今は私はポオ全集を読んでいますが、ちょうどいい季節になってきたと思っているところです。

ではまた。

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