一文

ちくま文庫版鷗外全集第一巻を読了しました。

文豪の作品というのは、力瘤を作って書いた力作ももちろんいいですが、肩の力を抜いてすっと書き流したような作品に真骨頂が現れるような気がします。

漱石なら長篇の諸作品に対し、『文鳥』とかね。
鷗外なら、全集第一巻に入っている『懇親会』『大発見』『鶏』などの短篇が後者に当たる気が。

『懇親会』は、新聞記者との懇親会に参加して、酔っ払った記者に喧嘩を吹っ掛けられて怪我をした、って話。
『大発見』は、欧米人でも鼻をほじるかという問題を探求しつづけ、やっと大発見する話。

こういった肩の力を抜いた物は、粗筋が一文で書けるというのが具合のよい目安である感じがします。

あ、『金毘羅』を再読して、また、ずうんと重い気持ちになりました。救いはありますが。

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