団円

今年のNHK大河ドラマ『軍師官兵衛』が終わりましたな。

黒田長政ファナティックの私は、長政公がどう描かれるか注視していたのですが、朝鮮出兵以後の徳川の天下に賭けた長政公の姿は、おおむね納得のいく描き方で、安心しました。

関ヶ原では水を得た魚のように、小早川、吉川に調略を行っているのも丁寧に描かれていたし。
欲を言うなら、本戦の島左近との激戦も描いてほしかったですけどね(奮戦する島左近を討つために狙撃隊を送り、それを契機に一気に石田本陣の壊滅へ追いやった武功です)。
三成に陣羽織を着せ掛けるところもあったし、満足(しかし、あそこの三成は、「かたじけない……」と、しおらしくしてほしかった笑)

で、合戦後、長政公ファンなら誰もが固唾を吞んで見守ったはずです、アレはあるのか?!と。
そう、父如水から言われる「そちの左手は……」のくだりです。

このくだりは後世の拵え事であることがわかっていますが、いまだに如水信者は長政公を貶めるために言い立てるのでウザいんです。

そして本編で、やっぱりありました、そのくだり。
観ながら内心、「あちゃー」と思ったんですが、ここからの描き方が出色でした。

家康との会見で、如水は己の器量が家康には負けていることを知り、潔く負けを認め、長政公を後に呼んで、「関ヶ原でお前は俺を超えたな」と言わせるのです。

これが如水の偽らざる心境の変化ではなかったでしょうか。
至極公平な描き方で、脚本家の方に喝采を送ります。
(如水を演じた岡田准一氏も、「『そちの左手』のくだりは史実ではないでしょう。あの如水なら、息子の大手柄を褒めてやったはず」とインタビューでも語っていたので、岡田氏にも拍手)。

こうして『軍師官兵衛』は親子の葛藤の物語でもあり、成長した息子との和解、というテーマが一本通っていたことを思い知らされました。

いやあ、今年の大河は長政公派の私にも大満足でした。

ではでは、またんご。

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