乱脈

昨日、今年一本目の掌編を書き上げて、編集者さんに送りました。
例によって、池袋綺譚のひとつです。
肝心の出来は……まあ、編集者さんの意見を拝聴するという形で、知ることになりましょう。

それはさておき、ずっと観たかった深作欣二監督の『仁義の墓場』を借りてきて、つい先ほど観終わったわけで。
深作作品は結構好きで観てるんですが、これはやっとレンタルしているのを見つけました。

『仁義なき戦い』シリーズが、筋目などお構いなしの乱戦の中で、一本筋の通った男気をキラリと光らせる作品なら、『仁義の墓場』は渡哲也演じる石川力夫の、任侠道も仁義もヘッタクレとばかりの無軌道極まるヤクザの後半生を描いた作品です。

タナトスに取り憑かれたかのような石川の、破滅に向かってただひたすら突っ走る破滅美ならぬ破滅醜は、見ていて不愉快極まりないです。
不愉快だから駄作、というのではなく、不愉快が極まった傑作なんですがね。
冒頭のインタビューシーンで、石川は幼少の頃は学問はよくできた、と言われているんですが、どこで道を踏み誤って、あんな狂犬病の野良犬みたいになってしまったんでしょう?

で、主人公役の渡哲也、数えるほどしか台詞がないのが、無気味で面白い(笑)
♪しょう~ち~くばいっと。

深作作品であと観たいのは、二十年ほど前に深夜放送でやっていながら途中で寝てしまった『資金源強奪』と、『赤穂城断絶』ですね。

でも、兄が中島貞夫の『日本の首領』が面白かったと言っていたので、今度はそのシリーズを借りてみようと思います。

ではでは、またんご。

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