漢籍

随分前の項で、父方の祖父が国文学者だったと書きましたが、私自身は漢文・古文ともちっともわかりません。

というのも、高校を一年で中退して、ちゃんとした教育を受けていないから(通った高校一年時も、まったく上の空で授業なんか聞いていなかった……)。
漢文はレ点くらいしかわかりません。
古文は江戸時代くらいの本になると大分読めるようになりますが、それ以前は難しいですね。

しかし、最近になって、漢文や古文の素養がないのを残念に思うようになりました。

鷗外なんかは欧羅巴の学問知識を身につけ、小説にも独・仏・英の横文字がバンバン引用されますが、学生時代には依田学海に師事し、漢籍の手ほどきを受けておるのです。
岡本綺堂も『世界怪談名作集』を翻訳するほど欧米の怪談に精通していますが、自作の怪談には、様々な漢籍から面白い話を換骨奪胎し、名作怪談を幾つも作り上げたのは有名です。

欧米の学問を盛んに吸収するとともに、伝統的な漢文もしっかりわかっている。
これが明治人特有の優れたバランス感覚なんでしょうね。

私も漢文、古文をすらすらと読めるようになりたいなあと思っておるのですが……勉強してももう遅いかな。

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