江戸
綺堂の『三浦老人昔話』を読了しました。
半七親分の友人・三浦老人が、喪われた江戸時代の面白話を物語るこの作、いやー、よかった!
特に、草双紙の魅力に憑かれた女の悲劇『春色梅ごよみ』や、清元の浄瑠璃に凝りに凝った旗本の殿様に待っていた運命を描く『桐畑の太夫』などがいい!
附録として収められた『黄八丈の小袖』も階級社会の悲劇で、思いの外いいです。
電車の中で読んでいたんですが、綺堂一流の語り口もありますが、江戸の魅力がこれでもかと伝わってきて、思わずニヤニヤしてしまいました。
階級社会で堅苦しい面もありますが、人間がそれでも生き生きと生活している様が感じられて、「江戸時代に生まれたかった……」と冗談でなく思いましたよ。
綺堂の半七捕物帳や江戸物の随筆がお好きな方は是非!
コメント
コメントを投稿